3日前から大学の後輩と朝飯の写真を朝の7時台に送りつけ合う儀式を始めた。
ちなみに後輩は男であるが、私は決してそんな趣味はない。
体育会のラグビー部なんかが食事の写真を毎回マネージャーに送って管理してもらっているという話を聞くが、私はマネージャーではないし彼はラガーマンではない。もちろん、彼はマネージャーではないし、私はストレッチマンでもキャットウーマンでもない。
目的はただ一つ。
生活習慣の改善だ。
朝の7時に起きてすぐに朝ごはんを作り始め、出来上がったら写真を撮って相手のラインに送り付ける。ただこれだけだ。
これを行うことで、否が応でも早起きせざるを得なくなり、さらには朝ごはんをしっかりと食べることで一日の最高のスタートを切ることが出来る。
この強制的に生活習慣を正すプログラムを私は「ライザップ朝ごはん」と呼んでいる。もし、ライザップ関係者が見ていたら大学生の戯言だと思って是非とも見逃して欲しい。
ライザップ朝ごはんの効果は抜群だ。私には自信がある。
というのも、実は去年の今頃も私は大学の先輩と二人でライザップ朝ごはんを行っていた。お互いに1人暮らしで朝飯をろくに食わず、起きるのも10時ぐらいで怠惰な生活を送っていたからだ。
「協力して生活習慣の改善に努めよう。」
2人の7時に起きて朝飯の写真を送りつけ合う日々は始まった。
始めは良かった。
私は朝から鍋の写真を送り、先輩はしっかりとした朝ごはんの写真を送ってきた。
「今日も一日頑張りましょう。」
完璧だった。
「このままこの関係が続いたらいい。」
私はそう思った。
しかし、ライザップ朝ごはんには大きな落とし穴があった。
お互いの朝ごはんが日に日にグレードダウンしていくのだ。
あくまでも「早起きして朝ごはんを食べる」という所に重点を置いているため、お互いに食べている朝ごはんについての言及、品評はほとんどない。
つまり、朝ごはんをより良いものにするというモチベーションの維持に関しては全くのザルプログラムであったのだ。お互い一人暮らしであったこともあり、ライザップ朝ごはんの朝ごはんクオリティ維持システムが機能していないことはかなり致命的であった。
私の朝ごはんは鍋、納豆ご飯とみそしるとサラダ、卵かけご飯とみそ汁、松屋の朝定食、、、とグレードダウン。
今考えれば、松屋の朝定食に関してはもう自分で作ることを放棄している。
さらに、具無し味噌うどん、素うどんと劣化していき、
最終的には、布団の上に1本のバナナを乗せた写真を送っていた。
先輩も徐々にグレードダウンしていき、
最終的には朝の10時にコンビニのおにぎりの写真を送ってきた。
「ごめん、寝てた。」
私はライザップ朝ごはんの改善に努めた。来る日も来る日も、より良いライザップ朝ごはんのために脳が汗をかくまでアイデアを出し、さらにライザップのCMをYoutubeで繰り返し視聴してドライアイになった。
ライザップ朝ごはんのことを考えすぎて、気づいたら朝ごはんを食べずに1日が終わっていたこともある。
そして私は一年かけて、ようやく二つの結論にたどり着いた。
「実家暮らしの奴とライザップ朝ごはんをする」ということ。
もう一つは「朝飯のクオリティを維持するために最初から背伸びしない」ということである。
相手が実家暮らしであれば、毎日まともな朝ごはんが出てくるだろうし、それを見て私も「ステキな朝ごはんを作ろう」というモチベーションになる。相手には特にメリットはないが、一方的に利用するつもりなので関係ない。
また、前回は最初からハイクオリティな鍋の写真を送り付けるという、知らず知らずのうちにかなりハードモードなライザップ朝ごはんを始めていた。それなら最初から平凡なクオリティの朝飯にしておけば、目にみえてクオリティが劣化していきライザップ朝ごはんの崩壊につながるということは防げるのではないか。天才的だ。マッキンゼー&カンパニーだ。
結果として、実家暮らしの後輩がとってもヘルシーでOLみたいな朝ごはんの写真を送ってくるので、私は負けじとシンプルでlazyな素うどんの写真を送り続ける日々が続いています。
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